格差 / ひとつのスコアは、始まりにすぎない

ジニ係数:何を測り、何を見落とすのか

ひとつの数字で、所得がどれほど偏って分けられているかをまとめることができます。でもその数字は、みんなが十分に持っているかどうかも、スコアの裏にあるそれぞれの人生も教えてくれません。ジニ係数をご紹介します。便利でコンパクトで、注意深く読む価値のある数字です。

高さの違うコインの山のそばに立つピクセルの人々
1 in 8 Billion のオリジナルピクセルアート。イラストであり、人口統計のグラフではありません。

分布を表すスコア

世界銀行の2024年6月の研究論文は、ジニ指数を0から100の尺度で説明しています。値が低いほど、所得や消費の分配が平等であることを示します。0はみんなの取り分が等しい状態、100は最大の不平等の基準点です。もうひとつの0~1の尺度も同じ指標を表しており、0.30と30は同じ値です。出典:世界銀行 Working Paper 10796、2024年6月、Box 1。

人と人のあいだの差を手短に表したもの、と考えてください。幸福度の評価でも、誰かの努力の尺度でも、貧困の中で暮らす人の割合でもありません。

4人のピクセルの人物で、ひとつの実験

完全に架空の、住人4人の村を用意します。週の所得は2、4、6、8トークン。標準的な母集団のジニ計算を使うと、この小さな分布の指数は25になります。

では、全員の所得を2倍にして4、8、12、16トークンにしましょう。この想像の世界では、物価は変わらないことにします。誰もが2倍買えるようになりますが、ジニは25のままです。それぞれが受け取る全体に対する割合が変わらないからです。最初の住人の取り分は、どちらの場合も10分の1です。

ここに、週5トークンという架空の貧困線を加えます。最初の村では、4人のうち2人がその下にいます。50%です。所得が増えた後は、4人のうち1人だけ。25%です。格差のスコアは固定されたままなのに、貧困率は下がりました。これらは架空のトークンを使った筆者の計算であり、実在の国についての観測ではありません。

貧困が問うのは、線がどこにあるか

現実の基準点として、世界銀行は2025年6月の更新で、国際的な極度の貧困線を1人1日あたり3.00ドル(2021年購買力平価ドル)に設定しました。PPPは国ごとの物価の違いを考慮したもので、今日の為替レートで換算した3米ドルそのままではありません。この発表では、2022年にその線より下にいる人を8億3,800万人と推計しています。推計の対象年と、2025年6月の改定という時期の両方が大切です。出典:世界銀行の貧困線に関するファクトシート、2025年6月5日。

4人の住人に戻りましょう。もし全員が2トークンずつ受け取るなら、ジニは0になりますが、全員が5トークンの線より下にいることになります。取り分が等しいことと、資源が十分であることは、別の問いです。だからこそ、分布の指標と貧困の指標は一緒に使うと役に立ちます。

同じスコアが、ちがう物語を隠す

世界銀行の指標の説明には、異なる所得分布が同じジニを生むことがあると書かれています。また、世帯調査の違い、参照年、所得ベースか消費ベースかの違いが比較を制限するとも注意しています。出典:世界銀行のジニ指数メタデータ。

細部がなぜ大事かを見るために、3人ずつの村を2つ作ってみます。ひとつは10、10、40トークンを受け取り、もうひとつは0、30、30を受け取ります。合計はどちらも60で、ジニはどちらも約33.3。でも最低所得は、最初の村では10、2つめの村では0です。同じスコアでも、暮らしぶりが同じになったわけではありません。

ランキングの前に、ラベルを読む

2つの数字を比べる前に、尺度、年、対象の人々、何を測ったのかを確認しましょう。それから、もとになる分布と、はっきり定義された貧困の指標を探してみてください。

1 in 8 Billion では、小さなキャラクターが、ひとつの人生をまるごと想像するよう誘います。同じ好奇心を、統計にも向けてみてください。スコアは物語の扉を開きますが、その中の人々を理解するには、もう一度よく見る必要があります。

もっと知りたい人へ

出典と参考資料

  1. World Bank: The World Bank’s New Inequality Indicator ↗

    Policy Research Working Paper 10796、2024年6月。Box 1が、架空の計算に使ったジニの尺度と母集団の計算式を定義しています。

  2. World Bank: June 2025 Update to Global Poverty Lines ↗

    2025年6月5日公開。2021年PPP国際ドルで1日3.00ドルの貧困線と、同発表による2022年の8億3,800万人という推計を裏づけます。本記事は、これを最新の推計として示すのではなく、その時点の値として明示しています。

  3. World Bank: Gini index metadata ↗

    2026年10月27日に定義を参照。分布が一意に定まらないこと、世帯調査の時期、所得と消費の指標を比較する際の限界を説明しています。

出典とゲームの内容は2026年10月27日に確認しました。 訂正を提案する.